授業科目名 | テーマ演習Ⅱ@AIと法 |
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配当年次 | 2・3年次 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 山田 八千子 |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | AIに関わる議論は、過去、推論と探索の第一次ブーム、専門的知識の入れる方式による第二次ブーム(エキスパートシステム)という二つのブームの盛り上がりと衰退を経て、現在は、機械学習の分野の飛躍的な技術の発展を踏まえ、ディープランニングという理論を中心とする第三次ブームを迎えており、AIと法をめぐる問題、あるいはAI社会と法をめぐる問題についても、様々な領域で法学者や法曹による議論がされてきている。これらの議論は、1)技術の発展に伴う既存の法的制度の修正や整備、新しい法制度の創設という実定法的あるいは実務的な問題のみならず、2)刑事理論の責任の基礎、憲法理論の自律の意味の再定位等の実定法の基礎理論的な問題、そして、3)法哲学における認識論や存在論あるいは意味論の問題の再構築等の原理的な問題にまでわたり、他方で、4)コロナ禍によるサイバー空間の機能の増大に伴い飛躍的に進んだリーガルテックの分野における法曹がまさに直面する課題等、まさに多種多様な問題を生じている。 本テーマ演習では、AIの中でも、このように近時飛躍的に議論が深まっているディープランニングを用いた場面を中心として、AIと法をめぐる問題について、理論と実装の両側面にわたる全体像を鳥瞰的に理解するとともに、重要な問題領域(授業計画参照)をピックアップして、これらを具体的問題に対し理解するという両方を目的としている。ディープランニングそして、AIと法に関わる問題の所在や背景、議論状況の概要につき、履修者の最も関心のある問題領域を中心に、具体的問題に則して説明することができるようになることを到達目標とする。 |
授業の概要 | AIをめぐる様々な法的問題について、授業計画に沿い、参考論文を用いて、実務的、理論的な両側面を検討する。 詳細は初回に履修者と相談の上決定するが、担当教員が個別のテーマに応じて「報告」をおこない、履修生と意見交換をする形を想定している。履修者数を踏まえた上、履修者の要望に応じて、履修者自身が、個人あるいはグループで報告をおこなう形も想定している。履修者自身が授業内で報告をおこなう場合には、評価方法のレポートは、報告のためのレポートと兼ねることができる。報告をおこなわない場合には、期末レポートを提出してもらう予定である。 |
講義内容 | 第1回 オリエンテーション 第2回 AIと「法」をめぐる問題の概要(1) 第3回 AIと「法」をめぐる問題の概要(2) 第4回 ゲストスピーカー (1) 第5回 統治・人権の領域をめぐるAIと法―ビッグデータ、自律、アーキテクチャー― 第6回 刑事領域をめぐる問題―自動運転を中心に― 第7回 民事領域をめぐる問題―自動運転を中心に― 第8回 民事領域をめぐる問題―仮想通貨・スマートコントラクト・ブロックチェーン問題― 第9回 リーガルテックとAI (1) 第10回 リーガルテックとAI (2) 第11回 法的思考・司法とAI 第12回 その他AIと法をめぐる諸問題 第13回 ゲストスピーカー (2) (変更の可能性あり) 第14回 AIと法をめぐる問題群の概要の総括 第15回 総復習・まとめ等(具体的内容は、開講後指示する) |
評価方法 | 授業時の応答・発言内容の平常点(70%)、レポートの提出(30%)として、評価をする。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 特に指定しない。 (参考文献) 宍戸・大屋・小塚・佐藤『AIと社会と法-パラダイムシフトは起きるか-』(有斐閣、2020年)等 その他の参考文献については、テーマに応じて紹介する。 |
科目群 | 演習 |
サブタイトル | AIと法 |