授業科目名 | 3群特講Ⅱ@法的思考 |
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配当年次 | 2・3年次 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 山田 八千子 |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | この科目では、2単位の授業の中で、法哲学の領域の「法的思考」に焦点をあて、比較法的視点もふまえながら、日本の司法制度を中心とした授業をおこなう。 法的思考の分野を含む法哲学とは、民法や刑法のような実定法学に対し、法社会学法制史等と並んで基礎法学の分野に属するが、基礎法学の中では歴史学的あるいは経験科学的な研究ではなく、法現象に対する哲学的考察をおこなう点で、独自性がある。 法哲学は、狭い意味では、法制度への外的視点から、法学のみならず政治学や経済学のような関連分野の研究成果をも取り入れる正義論の領域を中核に展開される。他方、広い意味では、正義論に加えて、法実務や実定法学の基礎に直接的に関わるような、法制度への内的な視点をふまえた法概念や法的思考に関わる領域も含まれる。 2単位の「法哲学」の授業では、法曹養成を目的とするロースクールの法哲学として、広い意味の法哲学について、正義論、法概念論、法的思考論の3つの分野をバランス良く扱うが、全体を深く扱うには、2単位は不十分であり、法的思考の領域は、法曹にとって、法概念論や正義論と異なる固有の意味を有している。よって、法的思考に特化した特講が設けられている。 法的思考とは、法的三段論法のような法的推論の問題および実定法の条文や判例に関する法解釈(狭義)の問題に大別される。法的推論、法の解釈は、実務法曹が日々の活動の中でおこなう営為であり、実定法学科目全般がまさにこのような法的推論、法の解釈をおこなっている。本科目では、実定法学の個別の解釈自体を扱うものではなく、法的思考全般に関わる基礎法学的なアプローチを試みるものである。ただし、素材は、法科大学院の学生にとって身近な事例を利用する。 本科目では、法曹として日常的におこなっている法の解釈や法的推論について、より深い理解をすることができることを目的とし、より「適切な」法的推論や法の解釈がおこなうことができるようになることを到達目標とする。 |
授業の概要 | 授業においては、できるだけ課題としての具体的な事例(判例、訴訟事件以外の紛争事例、あるいは現実の事例を加工脚色したり複数の現実事例を組み合わせたりした仮想事例等)を用いて、法解釈(広義)をめぐる問題を検討・分析する。授業内では双方向を積極的に取り入れ、理解の確認や課題の検討をおこなうが、その方法については、履修者数に応じて、対面授業の中で、学内のWi-Fiに端末を接続、Webex(オンラインウェブ会議システム)の投票機能等を利用しておこなうことも予定している。中央大学オンライン授業ウェブ会議システムについては以下を参照。(https://onlineportal.r.chuo-u.ac.jp/wordpress/) |
講義内容 | 第1回 イントロダクション 法の解釈・裁定の理論 第2回 法的推論 1 第3回 法的推論 2 第4回 法的推論 3 第5回 法解釈論史概略 第6回 法における原則例外思考 1 第7回 法における原則例外思考 2 第8回 解釈技法・解釈基準 1 第9回 解釈技法・解釈基準 2 第10回 解釈技法・解釈基準 3 第11回 解釈技法・解釈基準 4 第12回 現代における法解釈論 1 第13回 現代における法解釈論 2 第14回 第15回 総復習・まとめ等(具体的内容は、開講後指示する) |
評価方法 | 期末レポート70%、平常点30%(授業への参加や発言状況および授業内課題の提出状況等を考慮する)。 |
テキスト・参考文献等 | 特定のテキストは指定しない(配布レジュメにより進行する予定である)。下記に法哲学全体等に関わる参考文献を挙げる(品切のものもあるが図書館等で貸出可能である)。この参考文献で法哲学全体を扱っている本では(亀本洋『法的思考』有斐閣以外の本)、法的思考あるいは法解釈という領域が、本科目の対象となる。これらの参考文献以外の参考文献は授業内で指示する。 (参考文献) 平野仁彦・亀本洋・服部高宏『法哲学』有斐閣アルマ、2002年 瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』有斐閣、2014年 山田八千子『自由の契約法理論』弘文堂、2008年 田中成明『現代法理学』有斐閣、2011年 亀本洋『法的思考』有斐閣、2006年(品切のため図書館にて参照。ただし、受注生産のオンデマンド版にて入手は可能) |
科目群 | 基礎法学・外国法・隣接科目群 |
サブタイトル |