授業科目名 | 知的財産法Ⅱ(著作権法) |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 佐藤 恵太 |
履修条件 | なし。 |
科目の目的・到達目標 | 著作権法の全体像理解を講義の目的とし、典型的紛争について条文に基づく解決策を導き出す力量をつけることが到達目標である。 |
授業の概要 | 著作権法の概要を、指定教科書を読み解く形で講義する。ただ、典型的な著作物の特性ごとに条文順序を崩す等の説明順序を採用して、教科書と順序を異にする部分もあるので、予習指示に注意すること。また、適宜、裁判例を素材にした予習課題を提供するので、事前に解いてから出席されたい。1回(100分)授業の前半をレクチャー、後半を、事例をもとにした質疑応答という構成で授業を行う(アメリカのロースクールにおけるレクチャーメソッドに準じる授業方法)。デジタル社会の進展により、著作権法は大きく変容しているが、出版分野でも、著作権判例百選第5版では、有斐閣が、第4版編者の1人から提訴される事態になっている。従前の理解が、不断の判例展開により掘り下げられ、法理が深められてきているので、新しい事例にも目配りしつつ説明する。ただし、インターネット技術等による法変容の多く(コンピュータプログラムに関する規定等)は、IT社会と法講義において扱われる。 |
講義内容 | 第1回 著作権法の基本構造、保護期間 第2回 著作物 著作物概念(2条1項1号)、例示規定(10条)がなぜ存在するか。 第3回 写真の著作物 著作物の創作性要件の意味を理解する。 第4回 編集著作物、データベースの著作物 特殊類型の著作物を通して創作性の意味を再検証する。(智恵子抄最高裁判決) 第5回 映画の著作物 複数の者が創作に関与する場合、それぞれの者の権利関係をどう整理するか。 第6回 音楽の著作物 いかなる場合が演奏権侵害になるか。リハーサルの取り扱い、楽譜と楽曲の区別、カラオケによる利用(クラブキャッツアイ最高裁判決)、音楽教室における利用。(最高裁判決) 第7回 複製権侵害 言語の著作物(論文)と音楽の著作物(楽曲)を比較し、依拠・実質的同一という侵害認定要件を理解する。(ワンレイニーナイト・イン・トウキョウ最高裁判決) 第8回 著作権の各支分権の内容、翻訳権、翻案権等と二次的著作物の利用に関する原著作者の権利。(江差追分最高裁判決、キャンディキャンディ最高裁判決) 第9回 美術の著作物 美術の著作物のみ、相違点が存在する事情と展示権の扱い。(ゴナU最高裁判決、デジタルアートの権利関係(NFTアート)) 第10回 著作者の認定、共同創作、職務著作 智恵子抄最高裁判決の意味再考。 第11回 著作権の制限 権利制限規定の解釈方法、法改正の方向等の理解。 第12回 著作者人格権 3種類の権利(+権利ではないが人格要素の保護として明文化されている、2条項)の機能は何か。113条1項のみなし侵害規定の役割。 第13回 著作権の取引、著作隣接権 譲渡契約の締結時の注意点(61条2項)。 第14回 権利侵害に対する救済 ~差し止め請求1項と2項の区別、損害賠償額の認定方法等 第15回 授業まとめ |
評価方法 | 学期末試験80%、授業中の発言20%。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 斉藤博『著作権法概論』勁草書房、2014年。なお、適宜資料を配付。 (参考文献) 中山信弘『著作権法(第4版)』有斐閣、2023年 小泉・佐藤ほか『ケースブック知的財産法(第3版)』弘文堂、2012年 岡村久道『著作権法(第5版)』民事法研究会、2021年 大渕・茶園ほか『知的財産法判例集(第2版)』有斐閣、2015年(品切れなので、ライブラリ等で見てください) |
科目群 | 展開・先端科目群 |
サブタイトル |