授業科目名 | 憲法Ⅰ |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 3単位 |
授業担当教員 | 柴田 憲司 |
履修条件 | なし。 |
科目の目的・到達目標 | 日本国憲法の全体像、とりわけ基本的人権の内容と意義、統治機構の基本原理と司法権・違憲審査制の理解を目的とする。基本概念・判例などの基礎的知識の獲得を大前提に、他人にも理解できるように、順序立てて一定の筋道に従って表現する能力を養うことを到達目標とする。 なお、C plusにおいて、科目ごとの到達目標を掲げているので、自学自習を含めて各自が1年次の終了時までに理解しておくべき事項を修得するよう、計画的な学修を進めることに留意されたい。 |
授業の概要 | 日本国憲法の定める内容は、基本的人権と統治機構の2つに大別されるが、本講義では、まず前者の全領域を対象とする。憲法上の権利保障の意義を明らかにし、かつ、基本的な概念や主要判例などの基礎的な知識をふまえて、体系的な理解をめざす。通常の学部講義とは異なり、最初に取り扱う総論は必要最小限度にとどめ、個別的な権利保障規定の検討を終えた後で、理論的・複合的な諸問題を検討する。 次に統治機構の基本原理と、人権の救済機関としての裁判所(司法権・違憲審査制)を説明する。統治機構の他の部分は「憲法Ⅱ」で扱う。 1年次の前期に学修する科目として、ディプロマ・ポリシーにいう全ての法曹像の基盤となる知識と法的思考力養成に資するものであることに特に留意して授業を進める。また、授業中に質疑を行い、及び、オフィスアワーを活用して質問を受けることによって、学生諸君の学修進度を把握し、授業進行に反映するものとする。 |
講義内容 | 第1回 総論(1)―基本的人権の歴史 第2回 総論(2)―人権の観念と体系 第3回 総論(3)―人権の限界と制約 第4回 思想・良心の自由 第5回 表現の自由(1)―表現の自由の意義、二重の基準の理論 第6回 表現の自由(2)―表現の自由の限界 第7回 表現の自由(3)―表現の自由の限界・続 第8・9回 表現の自由(4)―国民の知る権利、報道・取材の自由 第10・11回 表現の自由(5)―検閲の禁止 第12回 集会・結社の自由 第13回 信教の自由 第14・15回 政教分離 第16回 学問と教育(1)―学問の自由と大学の自治 第17回 学問と教育(2)―教育を受ける権利 第18回 適正手続の保障 第19回 職業選択の自由 第20回 経済的自由の違憲審査基準 第21回 財産権の保障 第22・23回 社会権 第24回 参政権 第25回 幸福追求権 第26・27回 法の下の平等 第28~30回 外国人と法人 第31・32回 特別な法律関係―公務員、在監者(刑事施設被収容者) 第33回 人権規定の私人間効力 第34回 憲法の観念 第35回 国家主権と国民主権 第36回 権力分立と法の支配 第37回 裁判所の組織・司法権の独立 第38・39回 司法権の観念 第40回 違憲審査制の類型 第41回 違憲審査の手続 第42回 違憲審査の対象 第43~45回 総復習・まとめなど(具体的内容は、開講後指示する) |
評価方法 | 期末試験80%(論述50%、択一30%)、平常点(授業中の発言や参加状況などを総合的に評価)20%の割合で評価する。 日本国憲法が定める人権とその保障の仕組みについて、基本的な構造を理解し、個別人権の意味について、最高裁判所の判例法理を仮定的問題に当てはめて考えることができるかどうか、さらには、そこに含まれる未解決の課題を理解しているかどうかを評価する。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第8版)』岩波書店、2023年 長谷部恭男ほか編『憲法判例百選ⅠⅡ(第7版)』有斐閣、2019年 (参考文献) ①渡辺康行ほか『憲法Ⅰ基本権(第2版)』日本評論社、2023年、同『憲法Ⅱ総論・統治』日本評論社、2020年 ②佐藤幸治『日本国憲法論(第2版)』成文堂、2020年 ③笹田栄司ほか『ケースで考える憲法入門』有斐閣、2006年 ④工藤達朗編『よくわかる憲法(第2版)』ミネルヴァ書房、2013年 ⑤工藤達朗編『憲法判例インデックス』商事法務、2014年 ⑥戸松秀典=初宿正典編著『憲法判例(第8版)』有斐閣、2018年 *テキストを読みこなすことが第一である。参考文献はいずれ読む機会があるから、無理をする必要はない。①~③は憲法の得意な人向け、④⑤は初心者向けである。⑥は『百選』で足りないときに参照するのがよい。 *テキスト(判例集と教科書)の読解の補助となる資料(レジュメなど)も適宜、配付する。 |
科目群 | 法律基本科目群 |
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