授業科目名 | 4群特講Ⅰ@地域ブランド法務 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 1単位 |
授業担当教員 | 佐藤 恵太 |
履修条件 | 特にない。ただし、「知的財産法Ⅰ(総論・商標法等)」の受講を推奨する。 ※「4群特講Ⅱ@地域ブランド法務」を単位修得済みの者は、重ねて本科目を履修することはできない。 |
科目の目的・到達目標 | 特定地域に根差した商品等を製造・販売する際、複数企業が連携して、新たなブランドを育成し、またはリ・ブランドして再出発することがある。このようなプロジェクトに関連する法律上の問題(およびその基本的な解決手法)を整理することを目的とする。それによって、この種の複雑なプロジェクト(多数の当事者がかかわり、企業や個人農家等規模の異なる相手がひとつにかかわるため複雑になる)における問題解決や予防に必要な対処策の方向性を指摘することができるようになることが、到達目標である。 |
授業の概要 | 地域名称や、特定商品の地域独特の呼び名等をブランド化する販売戦略プロジェクトにおいて生じる可能性がある種々の問題をとりあげ、解決の方向性を探る。実際の育成事例をゲスト講師により紹介していただくことを予定しており、その際の説明対象事例と、受講生が収集する実際の地域ブランド育成事例を比較しつつ、潜在的な問題点を探っていく。検討は、地理的表示法を中心とした授業構成にするため、農林水産物が主対象である。将来の弁護士業務につなげる意味で、地元企業に対する各種コンサルタント業務を先行させる状況が生じる可能性を踏まえ、クライアントへのアドバイス手法をトレーニングしていただく。2021年の授業では、茨城県の干し芋を素材として、特定地域の「△△干し芋」を育てる可能性を追求し、調査を行い、日立市、那珂市等に具体的な提案まで行った(成果の一端は、農林水産省の外郭団体が出版する雑誌に紹介された)。また、2019年には、山梨県笛吹市のシャインマスカット葡萄農家を想定しつつ、隣の巨大産地・勝沼の葡萄とどのように差別化していくかを検討し、一宮の葡萄農家の意見聴取を行い、地名をどのように扱うかを考えた。このように、前例のない現在進行のプロジェクト(というより、むしろプロジェクトに向けた具体的提案)を想定しつつ、具体的にアドバイスの進め方を検討することを中心に授業が進められる。そして、最終的には、特定産地に対して具体的な提案をすることを目指す授業を展開する。いまだ、地理的表示に関する日本の裁判例は1件のみしか知られていないが(しかも、係争中で確定していない(八丁味噌))、公刊裁判例があればそこから得られる教訓も掘り下げてみたい。授業対象は、農林水産品を対象とする地理的表示法だけでなく、工業品や温泉サービスを対象とする地域団体商標などもターゲットとなる。 |
講義内容 | 第1回 地域ブランドを育てる(1) 第2回 地域ブランドを育てる(2) 第3回 地域ブランドを育てる(3) 第4回 育成を助ける知的財産権制度 第5回 農産品(1) 第6回 地理的表示(1) 第7回 地理的表示(2) 第8回 農産品(2)/水産物 第9回 工業品 第10回 地域団体商標(1) 第11回 地域団体商標(2) 第12回 広告宣伝戦略(1) 第13回 観光 第14回 広告宣伝戦略(2) 第15回 授業まとめ |
評価方法 | レポート50%、育成事例収集結果の報告に対する評価40%、授業中の発言10%。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 開講時に指示する。 (参考文献) 荒木雅也『地理的表示法制の研究』尚学社、2021年(荒木教授はゲストスピーカー) それ以外は、開講時に紹介する。 |
科目群 | 展開・先端科目群 |
サブタイトル |