授業科目名 | 東洋法制史【3群特講Ⅱ@東洋法制史】 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 赤城 美恵子 |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | 現代社会は過去から今に至る人々の営為の連続の上に成立している。したがって、現代社会をより深く理解するためには、その歴史をたどることが不可欠である。この科目は東洋法制史のなかでもとりわけ中国清朝時代の法制史を中心に検討する。上記の観点に立てば、中国の過去の法を学ぶことが現代中国理解に直結することは明白である。また、古来日本を含め東アジア諸国は中国から大きな影響を受け、法や制度を受け入れた。したがって、中国法制史を学ぶことは日本のみならず東アジア諸国の社会や法制度理解にもつながる。同時に、中国法制史研究は比較法的視座を提供し、その意味でも、現代法理解の一助となる。 以上から、この科目では、歴史的観点から中国を含めた東アジアの法・社会を理解すること、および比較法的視座を手に入れることを目的とする。そのため、東洋法制史に関する知識を獲得し、とりわけ中国清朝時代の様々な法制度について背景・考え方を含めて理解し説明できることを到達目標とする。 |
授業の概要 | この授業では、前近代中国の法・裁判の概要と特徴について、最後の王朝である清の時代を中心に解説する。 中国では、秦の始皇帝以来、およそ2000年にわたって皇帝の専制支配が行われ、法・裁判は統治の手段として存在する。そこで、まず、帝制時代中国の統治構造を概観し、国家の法および法典のあり方を取り上げる。国家の法は刑法が中心であり、私法関連分野での秩序形成は民間に委ねられていた。そこで家族法、財産法の各分野から、それぞれ特徴的な法理・慣習をいくつか説明する。その上で、紛争・事件の発生からその解決・刑罰の執行に至るまでの裁判手続を追う。 |
講義内容 | 第1回 はじめに 第2回 統治構造(1)皇帝と人民 第3回 統治構造(2)支配層 第4回 統治構造(3)清朝時代の統治構造 第5・6回 法典編纂史 第7・8回 刑罰体系 第9・10回 律例の特色 第11回 家(1)家の範囲 第12回 家(2)父と子 第13回 家(3)娘・妻・母 第14回 家(4)親属① 第15回 家(5)親属② 第16回 財産(1)土地の売買 第17回 財産(2)租佃関係 第18回 財産(3)「典」と「租佃」の接近 第19回 財産(4)「所有」のあり方 第20回 財産(5)土地の私的所有と国家 第21回 裁判(1)紛争の始まり 第22回 裁判(2)州県での裁き 第23・24回 裁判(3)州県自理と上申 第25・26回 裁判(4)権宜的手続 第27・28回 裁判(5)秋審 第29・30回 学期末試験 |
評価方法 | 平常点(授業への参加状況およびコメントペーパーの提出状況(30%))および期末試験(70%)によって評価する。 |
テキスト・参考文献等 | テキストは使用しない。毎回レジュメを配布する。 主要な参考文献は以下のとおり。 ①滋賀秀三『中国家族法の原理』(創文社、1967年) ②滋賀秀三『清代中国の法と裁判』(創文社、1984年) ③滋賀秀三『中国法制史論集――法典と刑罰』(創文社、2003年) ④滋賀秀三『続・清代中国の法と裁判』(創文社、2009年) ⑤滋賀秀三編『中国法制史――基本資料の研究』(東京大学出版会、1993年) ⑥石岡浩ほか『史料からみる中国法史』(法律文化社、2012年) ⑦寺田浩明『中国法制史』(東京大学出版会、2018年) この他、適宜紹介する。 |
科目群 | 基礎法学・外国法・隣接科目群 |
サブタイトル |