授業科目名 | 消費者法 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 宮下 修一 |
履修条件 | 履修条件は特に設けないが、1年次および2年次で開講されている民事系科目(民法・商法・民事訴訟法関連科目)の内容を十分に理解していることを前提として授業を進行する。 |
科目の目的・到達目標 | 市民にとって身近な法律である消費者法は、多発する消費者被害の多様化・複雑化に伴ってその姿を年々大きく変えてきている。また、立法の理念も、消費者の「保護」から自立へ向けた「支援」へとその軸足を大きく移してきている。本講義では、このような状況をふまえたうえで、現在発生している消費者問題、さらに将来における消費者法のあるべき方向性を、単なる「トピック」としてではなく「体系」的な視点から多角的に検討する力を身につけることを目的とする。 本講義の到達目標は、次の通りである。 ① 消費者法が生成されてきた歴史とその社会的背景をふまえて、具体的な消費者立法の内容とその変遷、さらに各立法の相互関係について説明することができる。 ② 具体的な消費者問題について、その解決を図るための基本的な知識を修得するとともに、理論と実践の双方の観点から、学説や裁判実務の動向をふまえて、適切な紛争解決の方法を選択することができる。 ③ ①・②を前提として、消費者法の有する現在の課題を把握したうえで、現在および将来における消費者法のあり方を多角的に考察し、その内容を説明することができる。 |
授業の概要 | 本授業は、15週のうち、第1~4週を消費者法全体に関わる「総論」、第5~14週を個別の消費者立法を取り扱う「各論」に分けて授業を進行し、最終の第15週で授業全体の内容の総まとめを行う。 なお、消費者契約法・特定商取引法・割賦販売法の改正が短期間に複数回行われる等、近時における消費者法の分野の立法のスピードはめまぐるしい。民法等、他の法律の改正との関係もふまえながら、できる限り最新の情報を提供するようにしたい。 |
講義内容 | 第1・2回 ガイダンス / 総論① 「消費者法」とは何か 第3・4回 総論② 消費者問題の現状と歴史的背景 第5・6回 総論③ 消費者行政・消費者教育のあり方、消費者法の体系 第7・8回 総論④ 消費者・消費者契約とは何か 第9・10回 各論① 契約締結過程・内容の適正化 第11・12回 各論② 消費者契約法(1):不当勧誘規制 第13・14回 各論③ 消費者契約法(2):不当条項規制 第15・16回 各論④ 特定商取引法(1):適用となる取引の概観 第17・18回 各論⑤ 特定商取引法(2):行為規制・民事的効力(クーリング・オフ、中途解約権等) 第19・20回 各論⑥ 消費者信用(1):消費者金融 第21・22回 各論⑦ 消費者信用(2):割賦販売法 第23・24回 各論⑧ 若年者・高齢者と消費者保護 第25・26回 各論⑨ 商品の表示・欠陥と消費者の安全 第27・28回 各論⑩ 消費者団体訴訟 第29・30回 総復習・まとめ等 |
評価方法 | 期末試験(ただし、受講状況により試験に代わる最終レポートに代替することがある)(70%)、授業参加度(毎回の授業での発言内容・参加姿勢)(10%)、授業中に実施する小レポートの提出(20%)。 評価に当たっては、各回の授業内容を十分に理解したうえで、上述した全体の到達目標および各回の到達目標を達成しているか否かを考慮する。 |
テキスト・参考文献等 | [テキスト] 宮下修一=寺川永=松田貴文=牧佐智代=カライスコス・アントニオス『ストゥディア消費者法』(有斐閣、2022年) ※このほか、消費者関連の法律が掲載されている「六法」を、必ず毎回持参すること。 [参考書] 中田邦博=鹿野菜穂子編『基本講義 消費者法(第5版)』(日本評論社、2022年) 河上正二=沖野眞已編『消費者法判例百選(第2版)』(有斐閣、2020年) |
科目群 | 展開・先端科目群 |
サブタイトル |