授業科目名 | 3群特講Ⅱ@法と経済学 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 飯田 高 |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | 「法と経済学」は、経済学のツールを用いて法に関する現象を分析し、法解釈や立法に資する知見を提供しようとする分野である。法制度は、個人の行動をどのように変え、社会全体の状態をどのように変えるのか。たとえば、ある物に所有権が設定されている社会とそうでない社会では、結果にいかなる違いが出てくるのか。契約違反の場合の判断のしかたによって人々の行動はどう変わるのか。あるいは、不法行為責任の課し方によってどのような違いが出るのか。主に民事法を素材として、人々の行動を促進したり抑制したりする「インセンティブ」の視点から上記のような問い(ここに挙げたものは一例にすぎない)を考察することが本科目の目的である。 「法と経済学」の基本的な考え方を習得し、実際の法的問題を法解釈とは異なる角度から分析できるようになることを当面の到達目標として設定する。 |
授業の概要 | この講義では、はじめにミクロ経済学(価格理論およびゲーム理論)の考え方と市場メカニズムの働きについて解説する。次いで、法制度が市場の働きに対してどのような影響を及ぼしているかを検討し、民事法の各分野の経済分析を行う。時間の許す限り、現実の裁判例についても議論する。また、実証研究や最近の研究動向もできるだけ紹介したいと考えている。 |
講義内容 | 第1回 イントロダクション 第2回 ゲーム理論の基礎① 第3回 ゲーム理論の基礎② 第4回 価格理論① 第5回 価格理論② 第6回 価格理論③、コースの定理 第7回 所有権ルールと賠償責任ルール 第8回 市場の失敗 第9回 所有権法の経済分析① 第10回 所有権法の経済分析② 第11回 契約法の経済分析① 第12回 契約法の経済分析②、不法行為法の経済分析① 第13回 不法行為法の経済分析② 第14回 「法と経済学」の新たな展開 第15回 筆記試験の実施 |
評価方法 | 平常点〔授業中の参加状況、発言、質問など〕(20%)・小テスト (20%)・筆記試験(60%)によって評価する。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 特に指定しない(毎回レジュメを配付する予定)。 (参考文献) ハウェル・ジャクソンほか 『数理法務概論』 神田秀樹・草野耕一(訳)、有斐閣、2014年 スティーブン・シャベル 『法と経済学』 田中亘・飯田高(訳)、日本経済新聞出版社、2010年 ロバート・クーター=トーマス・ユーレン 『新版 法と経済学』 太田勝造(訳)、商事法務、1997年 その他、授業中に適宜紹介する。 |
科目群 | 基礎法学・外国法・隣接科目群 |
サブタイトル |