授業科目名 | 1群特講C@現代家族法の諸問題【1群特講Ⅱ@現代家族法の諸問題】 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 阿部 純一 |
履修条件 | ※「家事紛争と法」を単位修得済みのものは、この科目を履修することはできない。 |
科目の目的・到達目標 | 離婚や相続等をめぐる家事紛争は、多くの実務家にとって、最も基本的な市民生活上の法律問題であり、日常業務の重要な一部分をなす。他方、近親者間の紛争である家事紛争において、事件当事者は、感情的な葛藤を抱えていることも少なくない。このような特徴を有する家事紛争の解決のためには、当事者の主張に含まれる法的要素を的確に抽出し、家族法及び関連諸法制度の総合的理解に基づく、解決策の提示が不可欠である。本科目では、家族法の基礎知識を受講者と確認するとともに、それを発展的に深化させ、応用的な問題解決能力を身につけることを目的とする。 到達目標は、(1)感情的対立の強い事件当事者の主張の中から法律的に意味のある事実を発見できるようになること、(2)発見した事実に民法及び関連法規を適切に解釈し適用できる応用力をつけること、(3)法社会学的・比較法的観点から問題を検討することにより、家族法の動態的・発展的な理解ができるようになることにある。 |
授業の概要 | 各回のテーマについて個別に設定された事案を中心に、テーマに関する解説と受講者との質疑応答・討論を通じて、紛争の実質内容に応じた適切な解決を探る。問題の検討に際しては、民法だけでなく、家事事件手続法、人事訴訟法、民事執行法、関連する社会保障法や租税法の問題にまで視野を広げ、さらには比較法的視点にも言及する。近年、家族関係をめぐる社会的・経済的諸条件や社会意識の変化に伴い、現行法の解釈論的限界が指摘されるとともに、立法課題も提起されている。これらの問題については、あるべき制度設計についても検討する。 授業は、あらかじめ配信されるレジュメと資料にしたがって進められる。レジュメの中に「質問」「設例」等として示された部分についての検討と討論が授業の中心である。レジュメの冒頭または個別問題中に「基本事項」として示された部分は、授業内容を理解するための基本知識であり、各自、事前に再度チェックしておくことが求められる。 |
講義内容 | 第1回 破綻主義の構造と問題点 第2回 夫婦財産の帰属と離婚給付 第3回 親権(監護権)と面会交流 第4回 利益相反と親権制限 第5回 養育費(扶養料)支払請求 第6回 婚姻外共同生活関係の解消と清算 第7回 父子関係の確定 第8回 母子関係の確定 第9回 相続の選択と相続資格の剥奪 第10回 遺産共有論の意味と機能 第11回 遺産分割紛争の特性とその解決 第12回 遺言の解釈と遺言執行 第13回 遺留分法の現代的意義 第14回 相続における配偶者の保護 第15回 総復習・まとめ等(具体的内容は、開講後指示する) |
評価方法 | 学期末試験70%、平常点30%で評価する。各評価基準は、以下のとおりである。 ・学期末試験:親族法・相続法の基礎知識を理解した上で、応用・先端的な問題について適切な法解釈を示して解答できること。 ・平常点:授業での質疑応答や発言の状況等を総合的に考慮する。 |
テキスト・参考文献等 | テキストは用いない。各回の授業用のレジュメと資料を事前に配布する。参考文献は各回のレジュメ末尾に記載する。 |
科目群 | 法律基本科目群 |
サブタイトル |