授業科目名 | 西洋法制史【3群特講Ⅱ@西洋法制史】 |
---|---|
配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 大西 楠テア |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | 授業の目的は、ドイツにおける近代法学の成立と発展を歴史的に概観し、これを踏まえて法学上の基本概念についての理解を深めることにある。基礎法学科目の役割は、実定法学の営みから一歩引きさがって、法学とはどのような営みなのかを反省的に考察することにある。この授業では、実定法学の歴史的基礎を考察することによって、この目的を達成しようとする。 到達目標は、第一に、近代法学の成立と歴史的な展開について基礎的な内容を説明できるようになること、第二に、実定法学が前提とする基本概念について批判的に検討する力を身につけることである。 |
授業の概要 | 近代法学の成立と発展の歴史を概観し、法学の基本概念を再検討する。この授業では自律的学問としての法学が成立する過程を、ドイツの法学者たちの軌跡を検討することで理解する。このドイツ法学史の検討を踏まえ、個別のトピックとして実定法科目が前提とする法学上の基本概念についても、歴史的に深堀された理解・洞察を得る。 具体的には、授業の前半では教員による法学史の講義を行う。その後、通史について見通しを得られた授業の後半では、個別のトピックの授業回で学生自身に指定した資料の内容要約と検討を行ってもらう。 |
講義内容 | 第1回 イントロダクション 第2回 西洋法制史における法源の多元性 第3回 古代社会の法(1) ローマ法の発展 第4回 古代社会の法(2) ゲルマン社会の法 第5回 中世法学 第6回 近世の法学 第7回 啓蒙主義の時代と自然法的法典編纂 第8回 フランス革命とナポレオン民法典 第9回 法典論争 第10回 パンデクテン法学の展開 第11回 公法学の歴史(1) 神聖ローマ帝国の国制と法学 第12回 公法学の歴史(2) ドイツ連邦と初期立憲主義 第13回 公法学の歴史(3) 三月革命期の公法学 第14回 公法学の歴史(4) 統一国家形成と公法学 第15回 公法学の歴史(5) 非実証主義国法学 第16回 統一民法典の成立と民法典後の私法学 第17回 ワイマール期の法学(1) 公法学 第18回 ワイマール期の法学(2) 私法学 第19回 ナチス期の法学 第20回 戦後社会の法学(1) 戦後自然法論 第21回 戦後社会の法学(2) ドイツ連邦共和国基本法と公法学 第22回 戦後社会の法学(3) 東西ドイツの分裂と社会主義法学 第23回 個別のトピック(1) 主権/高権 第24回 個別のトピック(2) 権力分立 第25回 個別のトピック(3) 連邦 第26回 個別のトピック(4) 君主制 第27回 個別のトピック(5) 行政/警察 第28回 個別のトピック(6) 庇護権 第29・30回 期末レポートの提出と振り返り |
評価方法 | 期末レポート70%、平常点30%(質疑応答による授業への貢献度および指定した資料についての発表)。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 特定のテキストは指定しない(配布レジュメにより進行する予定)。 (参考書) 松本尚子・宮坂渉・小川浩三編著『キーコンセプト法学史―ローマ法・学識法から西洋法制史へ―』ミネルヴァ書房、2024年2月刊行予定 村上・碧海・伊藤編『法学史』東京大学出版会、1976年 高田・初宿『ドイツ憲法集』第8版、信山社、2020年 |
科目群 | 基礎法学・外国法・隣接科目群 |
サブタイトル |