授業科目名 | 法社会学 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 秋葉 丈志 |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | 法社会学は、社会現象の一つとして法を研究する学問である。例えば「法は現実にどのように使われているか」、「法は社会の中でどのような機能を営んでいるか」、「法は誰がどのように、いかなる社会状況を背景として作るものなのか」といった問題を扱う。この授業では、特に司法を検討対象に取り上げる。 この科目の目的は、社会現象の一つとして法を位置づけ、法解釈学とは異なる視点を涵養することにある。実務法律家として将来担う司法のあり方を多角的に分析・評価できるようになることが、この科目の到達目標である。 |
授業の概要 | 授業内容を大きく「司法の役割」「法の変動と社会の変動」「法曹と市民」の3部構成(各4回)として、その中で、法社会学の各視点・論点について、学説と具体的な事例、また適宜外国との比較も交えた授業を行う。 第一部「司法の役割」においては、立法や行政との関係も念頭に、司法や司法手続のあり方を考える。第二部「法の変動と社会の変動」では、国籍確認訴訟や同性婚訴訟など、注目される裁判をケーススタディとして取り上げ、社会における司法の役割について考える。第三部「法曹と市民」では、法曹のあり方、社会との関係、市民の司法参加の意義や課題について考える。 |
講義内容 | 第1回 法社会学の視点 第2回 司法の役割(1):司法のあり方を巡る議論 第3回 司法の役割(2):立法・行政過程 第4回 司法の役割(3):刑事手続 第5回 司法の役割(4):訴訟と専門知 第6回 法の変動と社会の変動(1):法は社会を変え得るか 第7回 法の変動と社会の変動(2):ケーススタディⅠ(国籍確認訴訟) 第8回 法の変動と社会の変動(3):ケーススタディⅡ(同性婚訴訟) 第9回 法の変動と社会の変動(4):ジェンダー・セクシュアリティをめぐって 第10回 法曹と市民(1):裁判官の役割と司法の独立 第11回 法曹と市民(2):Cause lawyeringと弁護士倫理 第12回 法曹と市民(3):弁護士と司法アクセス 第13回 法曹と市民(4):市民の司法参加 第14回 総括 第15回 期末試験 |
評価方法 | 期末試験(60%)と、授業の事前課題(20%)・授業中の発言(20%)にもとづいて、総合的に評価する。 事前課題は学期中に数度、指定された事前学習の内容に基づき意見や疑問点などを文章にまとめて提出する。 期末試験では、教材及び授業において展開された学説やデータ、議論を活用し、根拠を示した説得力のある議論を展開しているかどうかを評価する。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 宮澤節生他『ブリッジブック法システム入門―法社会学的アプローチ(第5版)』信山社、2023年 その他にプリントを配布する。 (参考文献) 木佐茂男他『テキストブック現代司法(第6版)』日本評論社、2015年 佐藤岩夫・阿部昌樹編著『スタンダード法社会学』北大路書房、2022年 ダニエル・フット(溜箭将之訳)『裁判と社会―司法の「常識」再考』NTT出版、2006年 飯考行・裁判員ラウンジ編著『あなたも明日は裁判員!?』日本評論社、2019年 秋葉丈志『国籍法違憲判決と日本の司法』信山社、2017年。 その他、授業中に適宜指示する。 |
科目群 | 基礎法学・外国法・隣接科目群 |
サブタイトル |