授業科目名 | テーマ演習Ⅱ@民法の解釈方法試論(歴史的・比較法的解釈) |
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配当年次 | 2・3年次 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 北居 功 |
履修条件 | 民法の基本的な知識があること。2年次配当の民法の必修授業を理解して、民法の基本的な知識と一定の応用力があれば、授業を受けるに足る基礎学力と評価する。 |
科目の目的・到達目標 | 本講義は、民法の解釈自体を扱うのではなく、解釈の方法を扱う。そのため、民法の解釈論の発展的ないし応用的な授業を期待すべきではなく、なぜそのような解釈論が登場し、あるいは、それが普及しているのかの背景事情を、解釈方法論の視点から深めていくことを目的としている。できる限り、受講者との解釈論レヴェルの対話を重視しつつ、なぜ受講者が、その解釈論を支持するのか、あるいは、支持しないのかという素朴な問いから始めて、方法論の理解を深めることによって、解釈論上の理論対立の背景を理解し、民法の解釈についての理解を深めることが、本講義の到達目標である。前期のテーマ演習では、体系的解釈と沿革的解釈の対比をテーマとしたが、本講義は、とりわけ中世のヨーロッパ法史に遡って、我が国の民法が継受した法の解釈史を中心に据えた上で、学説形成の背景を深めていく。 |
授業の概要 | 授業では、日本民法の成り立ちの背景となるヨーロッパ大陸での私法史の概略と近代法典編纂の意義を取り上げて、その理解を前提にした上で、個別の重要テーマを素材にして、ローマ法はもとより、とりわけ中世ローマ法学以降の伝統的なヨーロッパの法解釈論と19世紀ドイツのパンデクテン法学を対比させる。その上で、同じく古代ローマ法源に依拠しながら、ローマ法を解釈するフランス法とドイツ法がなぜ違っているのか、その背景事情を理解した上で、とりわけ沿革研究に由来する学説の理解を深め、そうした解釈を超克するには、どのようなことを考え、試みる必要があるのかを、受講者と共に考えていきたい。 |
講義内容 | 第1週 序説 第2週 ヨーロッパ法史概説 第3週 パンデクテン法学 第4週 法典論争 第5週 民法体系論 第6週 二重譲渡論 第7週 二重譲渡と危険負担論 第8週 他人物販売委託論 第9週 瑕疵担保責任論 第10週 他人物売買論 第11週 種類債務論 第12週 契約不適合論 第13週 共同抵当論 第14週 相殺と消滅時効論 第15週 総括(具体的内容は、開講後指示する) |
評価方法 | 平常点(発言等の勉学意欲など)40%と授業内で提出を求めるレポート60%によって評価する。 |
テキスト・参考文献等 | テキスト、参考文献について特段の指定はしないで、各回の授業ごとに、必要な資料を配付し、参照すべき文献も指示する。 |
科目群 | 演習 |
サブタイトル | 民法の解釈方法試論(歴史的・比較法的解釈) |