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シラバス(講義要項)データベース:ロースクール|2025年度版

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ホーム > 3群特講Ⅱ@現代正義論

授業科目名 3群特講Ⅱ@現代正義論
配当年次 3年次
単位数 2単位
授業担当教員 山田 八千子
履修条件  特になし。
科目の目的・到達目標  正義論は、法哲学の中の分野の1つである。法哲学は、民法や刑法のような実定法学に対し、法社会学、法制史等と並んで基礎法学の分野に属するが、基礎法学の中では歴史学的あるいは経験科学的な研究にではなく、法現象に対する哲学的考察をおこなう点で、独自性がある。
 法哲学は、狭い意味では、法制度への外的視点から、法学のみならず政治学や経済学のような関連分野の研究成果をも取り入れる正義論の領域を中核に展開される。他方、広い意味では、正義論に加えて、法実務や実定法学の基礎に直接的に関わるような、法制度への内的な視点をふまえた法概念や法的思考に関わる領域も含まれる。
 このうち正義論は、自然法論と法実証主義との伝統的な対立をふまえ、自由・平等・共通善をめぐる正義の基底的価値の問題を扱う法価値論(正義論)という領域である。価値の多元性が進む現代社会においては、具体的問題を考えるにあたり、より原理的な正義をめぐる意見の対立を理解することは法曹にとっては必要である。よって、本科目の目的は、具体的な法律問題を考える上で、法哲学・正義論がどのような役割を果たしうるかを考え、現代社会の具体的な問題を分析・検討するアイデアや装置として上述した法哲学の知識や考え方が機能することを実践的に知ることにある。現代の正義論のテーマとして、どのような正義原理が個人の自由をよりよく保障するのか、福祉国家的再分配と自由は両立するのか、またそもそも、はたして、またなぜ個人の自由が尊重されねばならないのか等の問いを取り上げ、それらに対する主要な回答を紹介し、その長短を検討する。
 この目的を実現することを通して、与えられた問いに対するパタ―ン化された解答を提示したり問いを解消したりする思考ではなく、自ら何が問題かを探索する能力を身につけることを可能にする<問い定立能力を修得すること>を、この授業の到達目標とする。
授業の概要  授業においては、できるだけ具体的な事例(判例、訴訟事件以外の紛争事例、具体的な社会的問題をめぐる立法論的論争、あるいは現実の事例を加工脚色したり複数の現実事例を組み合わせたりした仮想事例等)を用いて、法哲学上の理論を検討・分析する。
 授業内では双方向を積極的に取り入れ、理解の確認や課題の検討をおこなう予定である。
講義内容 第1回 イントロダクション
第2回 功利主義(1)
第3回 功利主義(2)
第4回 ロールズの正義論(1)
第5回 ロールズの正義論(2)
第6回 リバタリアニズム(1)
第7回 リバタリアニズム(2)
第8回 共同体論(1)
第9回 共同体論(2)
第10回 平等主義的自由主義(1)
第11回 平等主義的自由主義(2)
第12回 正義論をめぐる現代的トピック(1)
第13回 正義論をめぐる現代的トピック(2)
第14回 正義論をめぐる現代的トピック(3)
第15回 総復習・まとめ等(具体的内容は、開講後指示する)
評価方法  期末レポート70%、平常点30%(授業への参加や発言状況等を考慮する)。
テキスト・参考文献等  特定のテキストは指定しない(事前に配布するレジュメにより進行する予定である)。下記に当該分野全体に関わる基本書や参考文献を挙げる。なお、上の2つが、法哲学・正義論の基本的なテキストとして利用しやすい。これらの参考文献以外の参考文献は授業内で指示する。
(参考文献)
平野仁彦・亀本洋・服部高宏『法哲学』(有斐閣、2002年)
瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)
山田八千子『自由の契約法理論』(弘文堂、2008年)
酒匂一郎『法哲学講義』(成文堂、2019年)
森村進『法哲学講義』(筑摩選書、2015年)
田中成明『現代法理学』(有斐閣、2011年)
亀本洋『法哲学』(成文堂、2011年)
嶋津格『問いとしての〈正しさ〉 法哲学の挑戦』(NTT 出版、2011年)
井上達夫編『現代法哲学講義 第2 版』(信山社、2018年)
滝川裕英編『問いかける法哲学』(法律文化社、2016年)
瀧川裕英編『もっと問いかける法哲学』(法律文化社、2024年)
科目群 基礎法学・外国法・隣接科目群
サブタイトル

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