授業科目名 | 1群特講B@統治機構概観 |
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配当年次 | 2・3年次 |
単位数 | 1単位 |
授業担当教員 | 工藤 達朗 |
履修条件 | 「公法総合Ⅱ」を履修済みであること。 「憲法Ⅱ」と内容的に重なるところが多いので、本法科大学院で「憲法Ⅱ」を履修した人(未修入学者)は履修しないことが強く推奨される。 |
科目の目的・到達目標 | 既修入学の皆さんは、当然、憲法の全範囲について十分な知識と理解をもって入学されたことと思う。しかし、なかには、人権と憲法訴訟については自信があるが、統治については勉強不足で不安がある、という人がいるようだ。私もそのような声を一度ならず聴いたことがある。確かに、法科大学院のカリキュラムをみると、人権や憲法訴訟を勉強するための授業はそろっているが、(1年次の「憲法Ⅱ」を除くと)統治に関する授業はほとんどない。そこで、この授業は、統治も勉強しなければならないことはわかっているが、1人で勉強するのは不安だという人を対象に、基本的な知識の確認と定着を(短期間で)行うことを目的とする。それによって統治に関する知識と理解をよみがえらせ、司法試験の公法系科目第1問(憲法)でこれまでほぼ出題されたことのない統治の領域から出題されても対応できるだけの実力と自信を付けることが到達目標である。 |
授業の概要 | 国民主権(前文+第1条)、戦争の放棄(第2章)、国会(第4章)、内閣(第5章)など、基本的には憲法の章立てに沿って進めるが、天皇(第1章)については、内閣の後に取り扱う(理由は授業で説明する)。基本的人権、司法権と憲法訴訟は取り扱わない(他の科目に任せる)。授業のやり方は、(統治の勉強が十分でない人を対象とするので)基本的には講義形式を考えているが、2・3年生は一方的に話を聞くのでは退屈だろうから、講義の途中で基本的な知識や理解を確認する質問をすることにしたい。このやり方でやってみて、受講者に適切ではない(レベルが低すぎる)ようなら、授業を進行しつつやり方を修正していくことにしたい。 |
講義内容 | 第1・2回(第1週):憲法総論:国民主権を中心に、平和主義と戦争放棄 第3・4回(第2週):国会(1):国民の代表機関 、国権の最高機関・唯一の立法機関 第5・6回(第3週):国会(2):国会の権限 、議院の権限 第7・8回(第4週):内閣:内閣の組織と権限 、衆議院の解散と議院内閣制 第9・10回(第5週):天皇:天皇の地位と権限 、国事行為と公的行為 第11・12回(第6週):財政:租税法律主義、予算と法律 第13・14回(第7週):地方自治:地方自治の本旨 、地方自治の組織と権限 第15回:総復習・まとめ等(具体的内容は、開講後指示する) |
評価方法 | 期末試験80%、平常点20%とする。平常点は、授業への参加態度や授業における発言(質問に対する答えなど)が中心となるが、そのためには、授業に出席していることが当然の前提となる。期末試験の形式等については、授業中に説明する。 |
テキスト・参考文献等 | <テキスト> 一応次の2冊をあげておく。 芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第8版)』(岩波書店、2023年) 長谷部恭男=石川健治=宍戸常寿編『憲法判例百選Ⅱ(第7版)』(有斐閣、2019年) <参考文献> 渡辺康行ほか『憲法Ⅱ総論・統治(第2版)』(日本評論社、2025年) 宍戸常寿=曽我部真裕『判例プラクティス憲法(第3版)』(信山社、2022年) |
科目群 | 法律基本科目群 |
サブタイトル |