授業科目名 | 4群特講Ⅰ@先端技術と民事責任法 |
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配当年次 | 2・3年次 |
単位数 | 1単位 |
授業担当教員 | 前田 太朗 |
履修条件 | 特になし。 |
科目の目的・到達目標 | 技術革新による事故に対し、従前の不法行為法理論での対応可能性と限界を確認し、ありうべき立法の可能性を、受講者に示してもらうことで、解釈論及び立法論に関する基本的な能力の涵養を図ることを目的とする。 この目的に従うと、従前の日本法の解釈論及びその展開を見るだけでは限界がある場合もあり、必要に応じて諸外国の状況、とくに、欧州連合の指令に関する改正動向も踏まえて検討することが求められるように、その視野を世界に向ける必要性も意識されることになる。以上を踏まえ、本科目では、各テーマでの検討を解釈論・立法論そして必要に応じて比較法論を踏まえて行うことができるようになることを到達目標とする。 |
授業の概要 | AIシステムや自動車の自動運転に代表されるように、技術革新が著しく進展し、これに伴って人身事故の態様も大きく変化していくことが考えられる。近時、こうした技術革新に対し、新規の立法の必要性も視野に置きつつ、民事責任法の理論的進展がみられる。受講者が、実務法曹として活躍する時代には、技術革新に伴う新たな人身侵害事例の解決が喫緊の課題となり、立法対応に直面していることが想定される。本科目は、こうした技術革新に対する近時の民事責任の理論展開・立法動向について、受講者の報告を踏まえながら、担当教員とのディスカッションを行い、受講者及び出席者の上記問題状況に関する解釈論及び立法論についての理解を深めることができるよう、授業を展開する。 |
講義内容 | 第1・2回(第1週) 不法行為法の確認 第3・4回(第2週) 交通事故‐自賠法の沿革及び要件、特に運行起因性要件の確認 第5・6回(第3週) 交通事故‐将来の課題 自動運転・新しいモビリティの登場と民事責任のあり方 第7・8回(第4週) 交通事故‐責任主体の捉え方 第9・10回(第5週) 製造物責任‐製造物責任法の沿革・基本的要件・効果 第11・12回(第6週) 製造物責任‐将来の課題 AI搭載の製造物の登場と民事責任のあり方 第13・14回(第7週) 技術責任と民事責任法における責任の正当化根拠‐危険責任・欠陥責任・過失責任の検討 第15回(第8週) まとめ |
評価方法 | 講義時の質疑における勉学意欲の程度(20%)、個人の個々のテーマでの報告及び質疑の内容(30%)及び学期末レポート(50%)の結果を総合して成績評価を行う。 |
テキスト・参考文献等 | 参考文献として、大塚直=米村滋人[編]『多様なリスクへの法的対応と民事責任』 (商事法務、2024年)を挙げる。さらに各テーマに応じて、適宜参考文献を挙げる(各テーマに付き、4~5本の学術論文を挙げることを想定している)。 |
科目群 | 展開・先端科目群 |
サブタイトル |