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シラバス(講義要項)データベース:ロースクール|2025年度版

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ホーム > 3群特講Ⅱ@法の知性史

授業科目名 3群特講Ⅱ@法の知性史
配当年次 3年次
単位数 2単位
授業担当教員 山田 八千子
履修条件  特になし。
科目の目的・到達目標  本講義は、法哲学、法制史上の領域について、法曹として修得しておいた方がよいと考えられる問題を扱う。法制度の歴史的な側面を扱うのが法制史であり、他方、法現象に対する哲学的考察をおこなうのが法哲学であるといわれている。法哲学は、広い意味では、(1)法とは何か、あるいは法が社会で妥当性をもつ根拠等を探求する法概念論、(2)理性一般の中で法的思考が占める位置や実践理性・賢慮との関係を扱う法的思考論、ならびに(3)自然法論と法実証主義との伝統的な対立をふまえ、自由・平等・共通善をめぐる正義の基底的価値の問題を扱う法価値論(正義論)という3つに大別される。本科目の目的は、法曹にとって必要だと考えられる法思想史の領域を中心とした基本的な知識を修得することである。
 知性史という用語は、インテレクチュアル・ヒストリー (intellectual history) の訳語であり、インテレクチュアル・ヒストリーとは、20世紀の初頭から使われ始め、学問領域が開かれている知の営みについての歴史学のことであり、従来は思想史と同じ意味で使われてきたが、歴史学と思想史との重複しながらも拡がりを持つ領域を扱う分野である。ただし、法の知性史という分野はまだ確立されていない。明治期においてヨーロッパ大陸法を採用する等、法の継受により生成されてきた日本の実定法や法理論を理解するには、必要な法思想や法制度があるので、法思想史ではなく、思想や歴史を分野横断的、多角的に扱うことを本授業では予定しているため、この授業科目名「法の知性史」を採用した。
 授業で扱う法曹が教養として知っておくべき思想史や法制度について、網羅的な基本的知識を得ると共に、関心のあるテーマについて掘り下げて説明できるようになることを、この科目の到達目標とする。グローバルな領域で活躍する場合においても、歴史的な知識は不可欠であると考えられる。日本における法の継受や法理論への影響をふまえると古代ギリシャを出発点とする西洋法が中心となるが、日本についても相当程度触れる予定である。今後、人や物、情報の移動が加速度的に進み、国外において活躍する法曹にとっても、国内において一般民事事件を扱う法曹にとっても、法の歴史を知ることは、法の理解を深めるために重要なことであると考える。現代日本法と関連づけて、西欧や日本の法思想について、思想家や時代のエピソードなどを交えながら、興味を喚起するような授業を実施する予定である。
授業の概要  授業においては、できるだけ現代的な問題と関連付けて、具体的な事例(判例、訴訟事件以外の紛争事例、具体的な社会的問題をめぐる立法論的論争、あるいは現実の事例を加工脚色したり複数の現実事例を組み合わせたりした架空事例等)を用いて、思想史、法制史の領域を検討・分析する予定である。授業内では双方向を積極的に取り入れ、理解の確認や課題の検討をおこなう予定である。
講義内容 第1回 イントロダクション 
第2回 古代ギリシャ・ローマの法思想(1)
第3回 古代ギリシャ・ローマの法思想(2)
第4回 中世の法思想(1)
第5回 中世の法思想(2)
第6回 近代の法思想(1)
第7回 近代の法思想(2)
第8回 近代の法思想(3)
第9回 近代の法思想(4)
第10回 アメリカの法思想
第11回 法的思考をめぐる法思想
第12回 日本の法思想(1)
第13回 日本の法思想(2)
第14回 インテレクチュアル・ヒストリーの意義
第15回 総復習・まとめ等(具体的内容は、開講後指示する)
評価方法  期末レポート70%、平常点30%(授業への参加や発言状況等を考慮する)。
テキスト・参考文献等 (テキスト)
 特定のテキストは指定しない(配布レジュメにより進行する予定である)。下記に当該分野全体に関わる参考文献を挙げる。上の3つが法思想史・政治思想史の全般的な基本書である。上から4つ目以下は、法哲学の基本書として利用されるものである。これらの参考文献以外の参考文献は授業内で指示する。
(参考文献)
 中山竜一・浅野有紀・松島裕一・近藤圭介『法思想史』(有斐閣、2019年)
 田中成明他『法思想史(第2版)』(有斐閣、1997年)
 宇野重規『西洋政治思想史』(有斐閣、2013年)
 中山竜一『二十世紀の法思想』(岩波書店、2000年)
 平野仁彦・亀本洋・服部高宏『法哲学』(有斐閣、2002年)
 瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)
 田中成明『現代法理学』(有斐閣、2011年)
 山田八千子『自由の契約法理論』(弘文堂、2008年)
科目群 基礎法学・外国法・隣接科目群
サブタイトル

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