授業科目名 | テーマ演習Ⅱ@担保法に関する国際的動向 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 2単位 |
授業担当教員 | 原 恵美 |
履修条件 | 民法に関連する科目については、できるだけ履修済み、または履修中であることが望ましい。また、英文を読むことがあるので、読む意欲があること。 |
科目の目的・到達目標 | 本科目においては、国際的な担保法の標準について勉強し、現代的な担保法において何が重視されているのかという点に関する理解を深化させることを目的とする。 本科目の到達目標は、①日本の中小企業の資金調達手段について、実務的問題から理論的問題まで幅広く理解し、国際的状況との比較において日本の特徴を理解することができるようになること、②国際的な担保法の原理・原則を理解し、日本の担保法改正の動向について分析することができるようになることである。 |
授業の概要 | 本科目では、まず、我が国における資金調達手段にどのような特徴があるのか、信用保証、個人保証、担保等に目配せした上で、検討する。この検討を通じて、担保がどのような位置付けを有するのか明らかにする。その上で、日本の担保法が、世界的に形成されつつある担保法の原理・原則とどの点において類似し、どの点において異なるのか、UNCITRAL(国連国際商取引法委員会)が作成した担保のモデル法等の検討を通じて明らかにする。 すべての回において、我が国での状況と国際的な動向の両方を取り扱い(どちらに力点をおくかは各回によって異なる)、比較検討する。受講生は、法制審議会の担保法制部会の資料や、UNCITRAL担保モデル法(翻訳が公表されている)等を参照しつつ、日本法と世界的動向の相違点を分析することが求められる。講義形式としては、(1)授業担当者が講義をした上で、ディスカッションをする回、(2)受講生に報告を求める回の組み合わせとなる。 |
講義内容 | 第1・2回(第1週第1日) ガイダンス、担保法の国際的動向を検討する意義 第3・4回(第2週第2日) 日本における資金調達手段の特徴(1):中小企業の資金調達手段の概説 第5・6回(第3週第3日) 日本における資金調達手段の特徴(2):中小企業の資金調達と担保法改正 第7・8回(第4週第4日) 様々な国際機関によって作成された文書の位置付け(1):関連する国際機関とその役割 第9・10回(第5週第5日) 様々な国際機関によって作成された文書の位置付け(2):作成された文書の位置付け 第11・12回(第6週第6日) UNCITRAL担保モデル法(1):概説、日本法との比較 第13・14回(第7週第7日) UNCITRAL担保モデル法(2):担保の登記 第15・16回(第8週第8日) UNCITRAL担保モデル法(3):日本の所有権留保とモデル法上の購入代金担保の比較検討 第17・18回(第9週第9日) UNCITRAL担保モデル法(4):実行方法 第19・20回(第10週第10日) 全資産担保と日本における検討状況(金融庁、中小企業庁の報告書を題材として)と国際的動向:過剰担保の問題を題材として 第21・22回(第11週第11日) 国際的な担保法の原理・原則(まとめ) 第23・24回(第12週第12日) UNIDROITケープタウン条約:特定の機械を対象とした担保法のあり方の検討 第25・26回(第13週第13日) ファクタリング:日本の債権譲渡法制とUNIDROITのファクタリングモデル法の相違 第27・28回(第14週第14日) 国際的な動向の中でみる日本の担保法改正の動向 第29・30回(第15週第15日) 総復習・まとめ等 |
評価方法 | 授業での発言等の平常点(30%)、授業内での報告(30%)、レポート(40%)で評価する。 |
テキスト・参考文献等 | 特にテキストは指定しない。参考文献については、適宜指示する。 |
科目群 | 演習 |
サブタイトル | 担保法に関する国際的動向 |