授業科目名 | 法情報調査 |
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配当年次 | 2024 |
単位数 | 1単位 |
授業担当教員 | 佐藤 信行 |
履修条件 | なし。 |
科目の目的・到達目標 | 本科目は、法学未修入学者を対象として、他の科目学修の前提として、また法実務家として必要な法情報調査について理解すると共に、実習を通じて具体的な知識と技能を修得することを目的とする。各種法資料(印刷媒体及び電子媒体の双方を含む。)について、その意味を正確に理解し、相互関係検証を行うレベルの能力を身につけることを到達目標とする。 |
授業の概要 | この講義では、法学未修入学者を対象として、法律学を学修するに必要な法情報調査について、入学直後の段階で、講義を行うとともに実習を行う。これは、ディプロマ・ポリシーにいう全ての法曹像に共通して必要な資質を養成するものである。カリキュラムマップ上は、DP6には関連度を示す符号が付されておらず、DP1とDP5には「◎」(最も強く関連)ではなく「○」(強く関連)が付されているが、このことはDP1,DP5,DP6の法曹像にとって法情報調査の必要性が低いという意味ではなくDP2~DP4の法曹像に基づく実務において、法情報調査技法の利用頻度が高いということを傾向的に示したものである。 法情報を大きく区分するならば、法規範にかかる情報と事実にかかる情報からなるが、この講義では主として前者を対象とする。具体的には、一次情報としての制定法、判決(判例)及び二次資料としての論文等について、その存在形式、読解方法及び調査方法を講ずるとともに、紙媒体及びコンピュータ・データベースを利用した実習を行う。なお、中間レポートへのフィードバックは、授業中の講評及び希望者に対する個別指導(オフィスアワーを活用)で行う。 なお、この科目は選択必修科目に属することから、履修選択の参考として、次を示す。 (1)この授業は、入学直後に集中して実施するが、法務研究科入学前に体系的な法学教育を受けたことがない人のみならず、ある程度体系的な法学教育は受けているが法情報調査教育は受けたことがない人も履修することをお勧めする。 (2)履修するか否かの判断基準としては、たとえば次のことを目安とされたい。 (a)「最大決」と「最三小判」の違い (b)「先例拘束性の法理」と「最高裁判所の判例の事実上の拘束力」の違い (c)「法律と政令の関係」と「条例と(首長の)規則の関係」の違い (d)図書館を利用して、「最大決昭和44年11月26日刑集23巻11号1490頁」の判決文全文とこれについての判例評釈5本程度を入手 (e)現在、日本には「準禁治産者」は存在する可能性があるか否か これらについて、既に全て理解している、あるいは自ら調査することが十分可能であると考える方は、この科目を履修する必要はないと思われる。 |
講義内容 | 第1・2回 法情報の考え方と調査の対象 第3回 制定法の調査その1 第4・5回 制定法の調査その2・その3 第6回 判決(判例)の調査その1 第7回 判決(判例)の調査その2 第8・9回 判決(判例)の調査その3・その4 第10回 二次資料の調査その1 第11回 二次資料の調査その2 第12・13回 その他の法情報の調査 第14回 法情報調査の活用・まとめ 第15回 質疑応答 |
評価方法 | 授業への参加状況(発言等)及び法情報調査実習の成果(レポート)により総合評価する。レポートは、講義中及び講義終了後の前期中の2回に締切を設定し、前者については、授業中解説を行うとともに、個別の講評に応じる。成績評価における各要素の比重は、授業への参加状況30%、第1回レポート30%、第2回レポート40%とする。レポートのいずれかを提出していない場合には、他の評価項目の得点にかかわらず、F評価とする。 レポートでは、具体的な調査課題に対して、適切な法規範・法資料を発見し、それらを適切に整理した報告ができているかどうかを評価する。 |
テキスト・参考文献等 | (テキスト) 授業用資料を配布する。 (参考文献) 指宿信監修『リーガル・リサーチ(第5版)』日本評論社、2016年 田島信威『最新法令の読解法(4訂版)』ぎょうせい、2010年 中森強編著『新訂専門資料論』東京書籍、2004年 |
科目群 | 実務基礎科目群 |
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